ここでは各コードの機能を詳細に説明する。
機能の概要
T機能(工具機能) → 使用工具の指定。
S機能(主軸機能) → 回転数の指定。
F機能(送り機能) → 送りの指定。
M機能(補助機能) → 主軸回転のON/OFF、クーラントのON/OFF、等。
G機能(準備機能) → 切削方法の指定、座標移動方法の指定、等。
機能の概要はこのページも参考にどうぞ。
O機能【プログラム】
プログラムに番号をふって、保存・呼び出しができる。
□に数字をふるが、今は好きなファイル名を使用できるようになってきている。
N機能【シーケンス】
シーケンス番号という。
加工工程ごとに使用するのが通例。(荒加工、仕上げ加工、ねじ切り、溝入れ、等)
プログラム上の意味はなく、印として使うだけの役割である。
つけたいブロックにだけ番号付けできる。
数字は、好きな数字をランダムにふっても支障ない。数字を順番にしなければならない決まりはない。
F機能【送り】
工具の送り量は↑にて設定する。
数字に単位を持たせるために、2通りの方法がある。
①G99:1回転あたりの送り量(mm/rev)
②G98:1分間あたりの送り量(mm/min)
※①がデフォルト
このF機能は、次に再度設定するまで保持される。
S機能【主軸】
単位を持たせるために、2通りの方法がある。これらの差に注意。
①G97:回転数(rpm)
②G96:周速度・切削速度(m/min)
NC旋盤は通常②「G96」を使う。
①G97
回転数が一定。
ドリルの時に使う。
この理由 → G96では、周速がX=0において算出できない。
②G96
G96だと、常に切削点での切削速度が一定になる。→安定した加工に。
これがG96を使う理由である。
回転数は、指令した切削速度となるよう切削点に応じて変化している。
G96S100; ←100m/min
のように使う。
自分の使う加工機がG96機能を有するかは確認をしておいてください。
G50により最高回転数を指示します。
(理由)切削速度が一定だと、中心部へ近づくにつれて回転数が大きくなる。中心部近辺では、大きな回転数になり危険。
大きな回転数では工作物に大きな遠心力がかかる。
工作物が吹き飛んだり、機械を突き抜けたりといった災害に繋がりかねない。(災害についてはこちら。)
【補足】切削速度と主軸回転数の関係(公式)
N=1000V / πD
N;主軸回転数
V;切削速度
π;円周率3.14。パイ
D;加工径
が成り立つ。
(計算例)
V=100m/minの時、D=50mm, 10mm, 1mmでそれぞれのNは?
N = 637 rpm(D=50mm)
N = 3185 rpm(D=10mm)
N = 31847 rpm(D=1mm)
※この条件ではD=1mmでは3万回転以上になりうる。「G50」にて最高回転数を設定しておくことがいかに大切か分かる。